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研究室紹介

私は、2015年10月1日付をもちまして 松木孝澄 教授の後任として福井大学医学部法医学教室教授に就任いたしました。
当法医学教室は、1984年(昭和59年)4月、初代教授として、岸 紘一郎 教授が着任され開講、1995年(平成7年)4月、岸 教授が群馬大学へ転出、1996年(平成8年)3月、第二代教授として、松木孝澄 教授が群馬大学より着任され、2013年(平成25年)3月、停年退官という歴史を辿って現在に至っております。 

さて、私は警察からの嘱託等に基づいて解剖に従事しておりますが、印象に残っているものとして、ある強盗殺人事件の司法解剖が挙げられます。現場、ご遺体ともに凄惨を極め、執刀は約半日近くにも及ぶもので終了した時には翌日になっておりました。こうした事例を経験するたびに、法医に携わる者は、常に心身を整え、有事の際には、持てる力を集中的に発揮して、死者の最後の声を聞き出すことが大切であるという思いに至ります。これを実践するために、私は陸上競技で身体を鍛錬し、法医学の実務に万全を期しているところです。なお、先程の事件は、執念の追跡捜査で県外を逃げ回る犯人を逮捕。有罪を勝ち取り、被害者の無念を少しでも晴らせたのではないかと思っております。
また、後進の医学部生に対しては死因を正しく究明し、死者の人権を擁護することの重要性について指導するとともに、検視等の出発点となる異状死体等の届出義務の教育を充実させているところです。亡き人の死因究明を手抜きし、その教訓を現実の政治に生かさない社会は、戦時のごとく、生きている人の命を知らず知らずのうちに疎かにしている社会と同じでございます。

最後になりますが、恩師の諸先生方が遺されました教室の業績を更に発展させ、福井県の死因究明ならびに教育・研究・大学の発展のため、教室員と共に全力を尽くす所存でございます。